ロシアのウクライナ進攻は始まるのか。国境付近に軍隊を集結するロシアの考えとは
2021-12-23 カテゴリー:ヨーロッパPhoto by Arild Vågen (licensed under CC BY-SA 3.0)
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ウクライナ問題と台湾問題
ウクライナ問題は、台湾問題と似ている部分がある。旧ソ連諸国は次々とNATOに加入し、現在のNATOとロシアの間の緩衝地帯はベラルーシとウクライナだ。
過去にはベルリンの壁を境にソ連と自由主義国家が接することはなかったが、現在は様相が違う。ウクライナがNATOに加盟すれば、ロシアは完全にNATOに圧迫される構図になる。
ロシアはウクライナ進攻を示唆し、ウクライナの半分を制圧するシナリオまで描いている可能性が高い。ウクライナの首都キーウは、もともと旧ロシアの首都だったところだ。
MEMO
ロシアはスラブ人の大移動によってキーウを首都とした国家建設を行っていました。
ウクライナはロシアに残された緩衝地帯
ウクライナは西欧経済圏に入ることで、国が豊かになると考えた結果、ロシアの猛烈な圧力を受けて来た。
クリミア危機は、ロシアがこれを阻止する第一段階だ。ウクライナはロシアから西欧へ天然ガスを輸出する中継国家で、ウクライナが西欧に完全に編入されれば、経済安保上の面でもロシアにとっての打撃になる。「鉄のカーテン」がウクライナ国境へ移動したのだ。
欧州と東アジアの防衛線は移動している
東アジアの安全保障上の最前線は朝鮮半島の38度線だった。ベルリンの壁は冷戦時代、欧州の最前線の境界線であり、東アジアでは38度線が境界線だったが、それが現在は台湾海峡に移動しているのだ。
世界に展開している米軍の編成について、バイデン政権の安全保障政策には疑問がある。本当に米国の立場を示す意思があるのかどうか。ウクライナ問題と台湾問題は、これを占う問題でもある。
POINT
旧冷戦時代は終わったけれど、勢力図の根本は変わっておらず相対的なパワーバランスが変わり、防衛線も別の地域に移動していると言えます。