フィンランドのマリン首相がNATO加盟に意欲 数週間で結論 - ロシアはバルト海に軍備増強
2022-04-15 カテゴリー:ヨーロッパ
Photo by Laura Kotila (licensed under CC BY 4.0)
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フィンランドのマリン首相が13日、NATO加盟に向けて意欲を表明した。議会を通じて数週間で結論を出すとのことだ。ロシアを刺激しないよう中立を保ってきたが、今回のロシアの行動で考えが変わったとも発言している。
これに対して ロシアのプーチン大統領の最側近の1人で、安全保障会議副議長を務めるドミトリー・メドベージェフ氏は14日、スウェーデンとフィンランドが北大西洋条約機構(NATO)に加盟すれば、ロシアは地域での防衛力を高める必要があると警告、核兵器の配備も示唆した。
バルト海の軍備増強とは何かと言えば、カリーニングラードだろう。ロシアはバルト三国のリトアニア、ポーランドに挟まれたバルト海に面した地域に飛び地を持っている。ここに核兵器を配備するということだろう。
メドベージェフ氏は軍事的均衡を取り戻すためロシアはバルト海で陸海空軍を増強しなければならないと主張している。フィンランドは長い国境線でロシアと接しており、モスクワまでも僅か1,000km強と近い。サンクトペテルブルグまでは目と鼻の先という立地となっている。
但しカリーニングラードは飛び地であり、現状リトアニアを経由しなければロシアはそこにアクセスが出来ない。ウクライナに比べてさらに難しい立地と言えるだろう。
フィンランド、スウェーデンがNATOに加盟した場合、ロシアにとってウクライナ以上に痛手になる可能性が高い。
ロシアは現在黒海への影響力を狙ってウクライナ南部を攻略しているが、フィンランド、スウェーデンのNATO加盟によりNATOはバルト海を手に入れることになる。
そしてカリーニングラードは完全にロシアと隔離された状態の飛び地となることになる。カリーニングラードを取られないようにロシアは核兵器を配備して防衛しようというのが本音かもしれない。