北朝鮮を破綻させたスポーツの祭典 - マスゲームでお馴染みのメーデースタジアムはこの時建設された
2022-02-11 カテゴリー:北朝鮮Photo by Christophe95 (licensed under CC BY 4.0)
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五輪開催を希望した北朝鮮
北朝鮮経済が奈落の底に落ちたきっかけの一つに第13回世界青年学生祭典がある。韓国ソウルで五輪が開催されることに対抗して、北朝鮮も五輪開催に名乗りを上げるが、IOC会長のサマランチは平壌を視察し、北朝鮮開催はいずれの機会にとだけ伝えて帰国した。
祭典開催をめぐって初の親子対立
世界青年学生祭典は社会主義国で行われるスポーツ・文化・芸術を含む祭典である。
金正日がこの祭典を自国開催するという提案に対して、父である金日成は経済状況を理由に断固反対の立場を崩さず、金正日は、韓国で五輪をやるのだから北朝鮮は世界青年学生祭典を必ずやるべきだと一歩も引かず、これは初めて親子が正面衝突した問題であった。
結果的には金正日に権力が移行している途中の出来事であり、決定は息子である金正日側に傾いた。つまり第13回世界青年学生祭典を開催するということだ。
大韓航空機爆破事件
大韓航空機爆破事件は1987年に起こった。航空機を爆破した実行犯は「ソウルオリンピックの韓国単独開催と参加申請妨害のため大韓航空機を爆破せよ」との指令により犯行に及んだテロ事件であり、このように韓国での五輪開催は北朝鮮の面目を丸つぶしにするイベントであったことが分かるだろう。
北朝鮮を破綻させたスポーツの祭典
現在マスゲームや弾道ミサイルの展示行進などが行われていることでお馴染みの、メーデースタジアムはこの時建造された他、様々なホテルも建設され、他国からの来賓客を12,000人をも無料で招待した。
当時の北朝鮮のGNPの大半が投入され開催された、莫大な国費を投入した祭典は北朝鮮の財政を危機的な状況にまで一気に追い込んだ。
スポーツの祭典が多数の餓死者を発生させた
その後北朝鮮国内の配給がストップし、大量の餓死者が発生することになる。当時北朝鮮の外貨の60%?70%を獲得していたのは咸鏡南道という地域だ。まず最初に集団の餓死者を出したのが咸鏡南道の鉱山で働く人たちだったと言われている。
POINT
北朝鮮の国が大きく傾いたのはこのスポーツの祭典をめぐる多額の資金投入にありました。それは韓国に対抗する為の見栄の産物でした。
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