米国ウィリアム・グリフィスが記した李氏朝鮮 日本統治前の朝鮮半島が見えます
2022-01-26 カテゴリー:李氏朝鮮Photo by Unknown authre (licensed under CC0 1.0)
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ウィリアム・グリフィスが記した李氏朝鮮
ソウルに護送されたオランダ人一行は、まるで見せ物の野獣のようだった。白い顔と赤い髭を持つこの外国人を見に、群衆が押し寄せた。男たちよりも女たちが、よく見える場所を確保しようと必死になった。誰もがオランダ人がものを飲むのを見たがった。西洋人はものを飲むとき、鼻を耳より上につまみ上げると信じられていたからである。
朝鮮は人にたとえられ、王はその頭、貴族は胴、人民は足である。胸と腹は膨れる一方、頭と下肢はやせ細っている。貴族はその強欲で人民の生き血をすするのみならず、王の大権をも侵している。国は充血を起こし、官僚主義の浮腫を患っている。
拷問の豊富さは、朝鮮がいまだに半文明国にとどまっていることを示すに十分である。法院と監獄の発明品としては、鉄鎖、背中を打つための竹、尻を打ち据えるためのパドル状の器具、肉が裂けるまでふくらはぎを叩くための鞭、肉と内臓を苛むためのロープ、手かせ、杖、そして膝とむこうずねを叩くための板等がある。
結婚後は、女との接触は不可能である。女はほとんど常に内房に引きこもり、許しを受けずに家の外を覗くことすらできない。隔離があまりに厳しいため、部外者の指が触れたというだけで父は娘を、夫は妻を殺し、妻は自殺することがある。
朝鮮の建築はきわめて原始的な状態にある。城郭、要塞、寺院、修道院および公共建築は、日本や中国の壮麗さにまるで及ばない。この国は古い歴史を誇っているのに、石造の遺跡がほとんどない。住居は瓦葺きか藁葺きで、ほとんど例外なく一階建てである。小都市では規則的な通りに配置されておらず、あちこちに散在している。大都市や首都でも、通りは狭くて曲がりくねっている。
朝鮮の百姓は一般に文盲である。おそらく農民階級の男の十人に四人が中国語か朝鮮語を読めるだろうが、女も勘定に入れると約85パーセントの人々は読むことも書くこともできない。ただし地域差は大きい。
朝鮮にはサムライがいない。日本にあって朝鮮に欠けているものは、心身ともによく鍛えられ、兵士であると同時に学者であり、忠誠心と愛国心と自己犠牲の高い理想をかかげる文化的集団である。
POINT
当時の朝鮮半島を伝えた著書はいくつかあるが内容は共通し両班の横暴、官僚腐敗、文化が未開であることを伝えています。韓国で伝えられている李氏朝鮮のみが違う世界を描いています。