中国恒大集団デフォルトの危機。中国の不動産売買に実態はあるのか。単なる地上権販売
2021-11-24 カテゴリー:中国Photo by Windmemories (licensed under CC BY-SA 4.0)
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中国恒大デフォルトの危機
中国恒大集団の、デフォルトが現実味を帯びてきた。創業者の個人資産まで売却をして負債の返済に充てていると言う。個人資産の中身は創業者の豪邸、プライベートジェット機、美術品、趣味で買っている観賞用のコイまでも含まれているようだ。
負債総額は6月末時点で1兆9,665億元(約35兆円)である為、何を売ったところで埋められる金額ではない。
中国での不動産売買の始まり
中国恒大集団の問題の根本は、中国国務院が1990年に公布した「中国国有土地使用権譲渡、賃貸の暫定条例」から生まれるものだろう。中国は社会主義国家であり土地は中国政府が保有している。それなら何故不動産会社が存在するのか。
それはこの法律によって土地の使用権というものが法的に認められ、その使用権を売買しているのだ。
MEMO
中国の不動産ビジネスは土地の売買ではなく、土地の使用権の売買。
不動産売買?地上権を販売できる?
不思議な考え方だが、日本では地上権に当たるのだろうか。賃貸などで入居する場合不動産は不動産所有者のものだが、入居する人はそこに住むに当たって地上権が認められ、入居後の生活についての家屋空間内でのプライバシーを含め絶対的に守られる。
正し所有権を得た訳ではないので、賃貸の権利を他者に売却するという考え方自体が存在しない。
ビジネスそのものに実態が無い
中国の使用権の問題も同じように、土地の所有者は国のままであるので、土地の使用権を持つ人は所有権までを持っている訳ではない。これが不動産売買と言えるのだろうか?資産価値の無い使用権を売り転がしていただけなのだ。
このビジネス自体が根本的な欠陥を持っており、今回中国当局が規制に走ったということのようだ。このビジネス自体が救済される可能性は極めて低い。
POINT
中国恒大集団特有に起きた問題ではなく、中国政府の政策変更により起こった構造的な圧力。
中国恒大集団だけの問題ではない
中国不動産会社の時価総額首位は2021年1月の発表では昨年に続き万科集団(8.33%減の3,334億元)、龍湖集団、碧桂園(18.58%減の1,988億3,000万元)、中国恒大(41.88%減の1,660億4,000万元)、華潤置地(22.5%減の1,920億7,000万元)の順となっている。
中国の不動産大手50社の時価総額は、1年で8,000億元消失したと言われている。
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