台湾有事は尖閣有事 - 否定しなかった中国軍中将、その論拠は台湾次第と言う責任転嫁
2023-12-29 カテゴリー:中国Photo by 海上保安庁ホームページ (licensed under 海上保安庁)
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中国軍シンクタンク中将の発言
中国軍のシンクタンク軍事科学院の何雷・元副院長(中将)が9日までに共同通信の単独インタビューに応じ、沖縄県・尖閣諸島を巡り「戦争を望まないが恐れない」と明言した。この中将の発言で個人的に気になるところは、尖閣を「台湾省」の一部だとする中国の主張に基づいて台湾統一と尖閣奪取を同時に行う可能性について問うと、「道理からすればそうだ」と否定をしなかったところ。
棚上げされた尖閣問題
魚釣島の領有権を最初に掲げたのは台湾だ。台湾が1971年の6月で中国が同年9月だから3カ月後に慌てて中国が国際社会に手を挙げた格好になっている。この期間国連で代表政府争いが行われており、中国の代表政府が中華人民共和国とされた国連アルバニア決議は1971年10月となる。これを受けて日本は1972年中国と国交を結ぶが、尖閣諸島の問題は「問題にしないことで問題化しない」という棚上げ合意が在ったと言われる。
国有化から始まった領海侵犯
掲載したグラフは中国による領海侵犯の件数だが、2012年まで殆ど無いことが分かる。2012年9月の野田政権での尖閣国有化から始まった。つまり中国側の理屈としては棚上げにしていた問題を日本が問題化したという考え方になっている。その為中国も領土主張を公然と行うというのが彼らの主張だ。その前にそもそも日本領土である。
Al Jazeera English (licenced under CC BY-SA 2.0)
批判に耐え切れず国有化した野田政権
この野田政権の国有化の経緯はあまりにも無様で、日本海保に体当たりした中国漁船の船長を理由不明に釈放し国民の非難に耐え切れずに行われたものだ。当時谷垣総裁は釈放するなら最初から逮捕せずにその場で国外退去で良かったと追及している。
台湾に紐づいた尖閣諸島
中国軍のシンクタンクの中将の発言は尖閣を台湾の責任としている。一国二制度が守られれば尖閣は台湾だという意味になる。台湾独立が台湾侵攻のトリガーであることは習近平は幾度となく発言している。
尖閣問題を台湾に委ねる論法
台湾有事は日本有事という中には尖閣問題があり、中国が台湾海峡の通航を維持すると公言し、尖閣への攻撃が無い場合はどのように日米安保が発動するのか疑問点が多かったが今回中国が尖閣はその一部だと公言した。裏を返せば目的は台湾領としての尖閣の小さな島のみであり、この島の為だけに米国が参戦するのかという話にしている。
日本側はこれを受けて対応を
台湾有事が起きたら尖閣にまで手が伸びることを中国側が明らかにしたのだから、日本政府はどのように対応するつもりなのだろうか。パンダを10頭でも借りに行くのか。SEALDs集会で、僕が酒を飲んでもっと仲良くなってやるよと叫んだあの学生と殆ど発想が変わらない。