アルバニア決議から始まる国際的な「一つの中国」 常任理事国としての国家代表権の問題
2021-11-17 カテゴリー:台湾
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双方が主張した国家代表権
一つの中国という問題は、国共内戦を経て中華民国(台湾)、中華人民共和国の「双方が」常任理事国としての中国の代表権を国連で争ったことから始まりまります。その時中華民国は国連常任理事国の中国代表として加盟していました。
同決議で台湾は国連を脱退
1971年のアルバニア決議で中華人民共和国を中国代表の国連加盟国と認定した結果、中華民国は国連を脱退します。事前に日米は台湾に対し、中国の代表の権利を自ら辞退するよう説得を試みたが、蒋介石は納得しませんでした。
MEMO
一つの中国は、中国だけでなく台湾も主張していました。尖閣諸島の領有権を主張したのは台湾の方が中国より先でした。
台湾の国連追放を阻止しようとした日米
アルバニア決議案に対抗しアメリカは二重代表決議案、日本は追放反対重要問題決議案を国連に提案しました。結果はアルバニア決議案が可決され、中華人民共和国が代表権を継承することとなり、台湾の議席を消滅させることになりました。
仮に台湾が代表権を自ら取り下げ別の国としての国家承認を同時に申請をしたら問題は変わっていたのかもしれません。
台湾は通称に過ぎない
現在我々が台湾と呼んでいるのは正式な国名ではなく、正式には中華民国です。台湾とは地域名を意味する通称です。オリンピックではChinese Taipeiと呼び、日本のNHKがTiwanと呼んだことが話題になりましたが、国名そのものも国際的には国連の問題が絡んでいます。
台湾の国際機関加盟を後押しするアメリカ
以上の経緯から国連は中華人民共和国に中国の代表政府と認めたにすぎず、中華民国は国連を脱退した状態である為、国連が国家承認を行わないという意味と同義ではない。
中国はアルバニア決議を拡大解釈
アメリカは、台湾の国際機関への参加を支援すると発言しました。そして、中国はアルバニア決議を拡大解釈していると、アメリカ共和党のジム·リッシュ議員は発言しました。
逆に中国が国際社会からの台湾排除を主張する根拠はこの1971年のアルバニア決議ということになります。
POINT
アメリカは、中国がアルバニア決議を拡大解釈して悪用していると批判しています。中国は台湾が国際機関に参加できないよう各国に圧力を掛けています。