台湾総統選挙に対する習近平の揺さぶり
2021-10-10 カテゴリー:台湾Photo by U.S. Embassy (licensed under CC0 1.0)
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2024台湾総統選挙
台湾民進党の総統選挙候補の頼清徳氏と鄭文燦氏は共に台湾独立を主張している。蔡英文氏は「一国二制度」を否定し、92コンセンサスを否定する立場だ。
台湾国民党は候補4人共に一国二制度と92コンセンサスの維持を主張している。台湾の独立気運が高まったのは香港デモ、蔡英文氏の再選と、トランプ政権の誕生が背後にある。
安倍氏提唱のクアッドは台湾の独立と台湾の国際社会への参画が最終目標地点になる。国家承認を経て軍事同盟を結ぶことで自由で開かれた太平洋と言えるだろう。
バイデン政権の消極性を利用した懐柔策
バイデン政権の誕生により、一つの中国政策に変更が無いことや、3つのコミュケを維持するとなった。カート・キャンベルインド太平洋調整官は台湾の独立を支持しないと発言した。
そして今回中国の台湾領空侵犯が止まり、習近平が92コンセンサスに戻り台湾海峡両岸の発展を推進するとしたことは、台湾民進党への揺さぶりだ。
領空侵犯が続き緊張状態が継続していれば米台湾関係は緊密となり、台湾有事や緊張状態の中で独立を宣言する可能性もあったが、今回中国が引いたことでその可能性が無くなった。
緊張状態が和らげば独立気運も低下し、米台湾軍事演習も回数を減らすことになる。何もしないことでアメを与え、逆に台湾独立主張そのものが台湾海峡の不安定要素となるという認識に誘導するためだ。
米国の台湾関係法はまさに不明瞭な内容であり、どのような段階で台湾へ出兵するのかしないのかすらわからない。今の状態では台湾自らが独立戦争となっても独立を主張するのかという話に変わってきてしまっている。