ウクライナ問題から見る台湾有事 台湾問題にあたって我々が取るべき立場は?
2022-03-07 カテゴリー:台湾Photo by JHH755 (licensed under CC BY-SA 3.0)
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軍事境界線の変更とは
ウクライナをNATOに加盟させて一方的に軍事境界線を動かそうとしたNATOは批判されるべきという考え方について、台湾問題を見た場合どうなるだろうか。
日本のマスコミはロシアと中国を同列に置き、中国がロシアのように台湾を侵略したらどうするかという話になっている。果たして理論の建てつけは単純にそれだけで良いのだろうか。
日本や米国が台湾を中国のものにしたくないのは何故だろうか。軍事境界線が大幅に移動するからだ。
台湾有事は日本有事
日本では台湾が取られたら次は尖閣諸島だと国会議員も訴えている。
アルバニア決議では中華人民共和国を中国の代表政府とすることを国連が決議している。代表権の問題自体が台湾の独立性を失うという解釈ではないということは日米は一致しているものの、日本もアメリカも台湾と国交が無く、国家承認をしていないのだ。
これらが現在の中国が台湾は共に中国だと主張する根拠となる。台湾と国交を結んでいる国は現在15カ国でしかない。その内2021年9月に行われた国連総会で台湾の参加を支持すると発言した国は13カ国に留まり、その中に日米は含まれていない。
台湾の国家承認の意味
それでは台湾を中国から分離させ独立承認をし国交を結び、同盟国に引き入れる条約を結ぶことはどのような位置づけになるかと言えば、今回ルガンスク、ドネツク人民共和国をロシアが国家承認して保護するとしたロシア側と似たような手法を取ることになる。
逆に中国はウクライナ側と同じように日米を非難し防衛軍を派遣することになるだろう。つまり、我々は台湾問題を見るにあたってロシア側に座っていることになる。
平和を脅かす軍事境界線の変更
当初からウクライナ問題は台湾問題だと考えていたが、これは国家主権の問題以前に軍事境界線の問題だ。
一方的な軍事境界線の変更は戦争に至るということは過去の歴史が証明している。中国が何をしたいのかと言えば、台湾を手に入れることで軍事境界線を大幅に変更したいのだ。
NATOがこのような状態なら、台湾をどのような理屈で軍事的に守るのだろうか。
POINT
日本は台湾防衛の為に米国と協力して中国に向き合わなければならないことは言うまでもありません。軍事境界線の変更を許さないという立場を明確にする必要があります。