ウクライナ問題で中国はEUとの関係改善を図りたい - 双方から利益を得たい中立の立場の中国
2022-04-02 カテゴリー:中国Photo by Chuck Hagel (licensed under CC0 1.0)
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EUとの関係改善を模索する中国
中国とEUの首脳会談が1日に行われた。フォンデアライエン氏は首脳会議後の記者会見で「この戦争で、欧州の人々はロシアに対するいかなる支援も認めない」と強調した。習氏は「国際社会は火に油を注ぎ対立を激化させるのではなく、ロシアとウクライナの交渉の条件と環境を整えるべきだ」と述べたと中国国営新華社通信は伝えている。そして同会談では中国がウクライナ問題を利用してEUとの関係改善を狙っていることが明らかになった。
中国を利するウクライナ情勢
日本のマスコミでも中国の立場を利用してウクライナ問題の解決の道を探るべきという意見が在るが、その方法は取らない方が良いだろう。大きな意味で自由主義諸国は何故中国の覇権主義に対抗して来たのか、現在のウクライナ侵攻に対処しようとしているのかが全く分からなくなる。
中国は双方から利益を得る
ロシアとの停戦合意が行われた後、いずれかのタイミングで中国はロシアへの経済的な支援を行うだろうし、この問題で自由主義諸国と取引をし接近していたならばそこからも利益を得ることになり、停戦に導いた立役者ともなれば国際的な中国の立ち位置は上がることになる。戦争は早急に終わらせるべきだが再びおかしな世界が回り始める。
力による現状変更
ウィグル、南沙諸島、台湾問題とウクライナ問題は力による現状変更であり人権侵害の問題として同じ側面で捉える必要がある。現在ウクライナで戦争が起こったからと言って別の問題の、侵害の当事者である中国に期待するのは取り組むべき問題の意味を考えれば大きく矛盾している。
冷戦崩壊後の歪な世界
そもそもロシアや中国が常任理事国として国連が在ること自体に疑問が生まれた。冷戦期は東西諸国が対話をする場所として機能していた側面もあるが、今は冷戦状態ではない中で、自由主義諸国でもない国が中心メンバーとして世界の人権を訴える国際組織が回っているのだ。今回のウクライナ問題やウィグル問題や台湾問題などロシアや中国は国連の常任理事国に相応しくないと思わざるを得ない。世界には彼らの影響力が及ばない国際組織が必要なのだ。