日中四つの基本文書と4つの合意 - 日中外交と日韓外交の違いは、日韓には積み上げた外交資産が存在しないこと
2022-08-22 カテゴリー:中国クリック応援よろしくお願いします。
安倍元総理と交わされた日中4つの合意
安倍総理の訃報に対し中国報道官は、日中関係発展に多大な功績を残したと評した。2012年に尖閣諸島問題が顕在化し反日デモが起き、安倍総理大臣によりAPACで日中首脳会談が行われ、4項目の合意が交わされた。
- 双方は,日中間の四つの基本文書の諸原則と精神を遵守し,日中の戦略的互恵関係を引き続き発展させていくことを確認した。
- 双方は,歴史を直視し,未来に向かうという精神に従い,両国関係に影響する政治的困難を克服することで若干の認識の一致をみた。
- 双方は,尖閣諸島等東シナ海の海域において近年緊張状態が生じていることについて異なる見解を有していると認識し,対話と協議を通じて,情勢の悪化を防ぐとともに,危機管理メカニズムを構築し,不測の事態の発生を回避することで意見の一致をみた。
- 双方は,様々な多国間・二国間のチャンネルを活用して,政治・外交・安保対話を徐々に再開し,政治的相互信頼関係の構築に努めることにつき意見の一致をみた。
国交回復からの外交の歴史
これが度々中国が言う4つの合意である。項目1の四つの基本文書とは、
- 1972年の日中共同宣言
- 1978年の日中平和友好条約
- 1998年の平和と発展のための友好協力パートナーシップの構築に関する日中共同宣言
- 2008年の 「戦略的互恵関係」の包括的推進に関する日中共同声明
を意味する。
難しい日中関係の中にも外交基軸
4つの合意の第一項目において、これまで取り交わした条約や協定は双方が順守することを約束した。これも中国報道官が頻繁に発言する4つの文書に基づいた日中関係という意味になる。中国は国際的にも問題の多い国ではあるものの、中国は原則主義と言われるように、日中の外交基軸はここに存在する。
日韓関係には積み上げた資産が無い
日中関係、日韓関係はお互いの立場も歴史も全く違う。しかし最も大きく違う点は、韓国はこれまでの合意を全て破棄してきたのだから、政治的、外交的に積み上げた日韓の外交資産が何もないということだ。
POINT
中国も韓国も最近はどちらも付き合いたくないアジアの国になってしまいましたが、外交上の関係性は全く違う歴史を持っています。