米露の情報戦の中に見える米露交渉のマウント取り 首脳会談に向けた前哨戦
2022-02-22 カテゴリー:ウクライナPhoto by Presidential Press and Information Office (licensed under CC BY 4.0)
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数日以内にウクライナ進攻と米政府
バイデン大統領米大統領は19日にロシアが数日以内にウクライナに進攻すると明らかにし、プーチン大統領は戦争を決断したと発言した。ロシア側は一貫してウクライナへの進攻の意志は無いと表明している。そしてプーチン大統領はラブロフ外相と、欧米諸国との対話の可能性についての会話を異例にも外部に公開した。
ロシアが軍を一部撤退させたと言えば、アメリカは増員していると発言する。この情報戦の目的な何かというのが現在話題になっているところだ。
ウクライナは孤立しロシアの軍事圧迫は継続
唯一はっきりしているところは、ウクライナは軍事的に欧米から切り離されたことだ。バイデン大統領は一早く第三次世界大戦を引き合いに参戦を否定した。この問題が長引けば長引くほど打撃を受けるのはウクライナ経済となる。現在多くの外資は撤退をし、外国人などは国外に避難している。ゼレンスキー大統領は、ロシアが今にも進攻してくるかのような発言を慎むように欧米諸国に注文を付けた。そもそもロシアの当初の目的はゼレンスキー政権に揺さぶりをかけることだという見方が強かった。親米政権が続けばウクライナ国境にロシア軍は常に常駐することになるし、NATO加盟が現実となれば独裁国家のベラルーシにも核を配備する。
交渉劣勢を優勢に変えたい米政府
13日に行われた米露首脳会談では、バイデン氏はプーチン氏に対してロシアの要求は何かと先に聞いてしまっている。先に相手の要求を聞くことは外交上、あり得ないという批判が在る。そこでプーチン氏はすかさずNATOの東方不拡大を要求した。
この流れで行けば、ウクライナのNATO加盟を取りやめる代わりにロシア軍が撤退するという交渉の流れになってしまった。バイデン氏はプーチン氏との2度目の会談を行うことに合意した。現在情報戦によってウクライナ、ロシア経済に対する制裁は既に始まっている。これを強めることでバイデン氏は劣勢となった状態から優勢に転じたいかのようにも見える。
POINT
アメリカは軍事オプションを放棄した以上交渉優位に立つことは容易ではありません。経済制裁は既に始まっています。