ウクライナ問題はどのように終結するのか ロシア撤退の可能性は?解決する方法はあるのか
2022-03-03 カテゴリー:ウクライナPhoto by Kjetil Ree (licensed under CC BY-SA 3.0)
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ウクライナ問題の発端は何だろうか
ウクライナ問題の根本は何だろうか。一見ウクライナの西洋への傾倒に対して怒ったロシアが軍事侵攻を行ったと見えがちだが、これは本質的には軍事境界線の問題だろう。
NATOはウクライナを2008年に「将来的な参加国」としてのグループに入れた。そして加盟については加盟国の全会一致という条件を付けた。
その中でNATO参加を強く求めるゼレンスキー氏が2019年に大統領に当選し、欧米に対して働きかけを強めていた。
2021年にNATO加盟の動き
2021年4月イェンス・ストルテンベルグNATO事務総長が北大西洋理事会(NAC)臨時会合後の記者会見時にウクライナに加盟申請の権利があると発言し、日本ではあまり報道されていないが、6月26日にはアメリカ海軍誘導ミサイル駆逐艦USS(DDG-71)ロスが軍事演習を名目に黒海に入り、ロシアは重大な挑発行為だと強く非難をした。
大きく動く軍事境界線
ウクライナがNATOに加盟するとすれば欧州の軍事境界線が大幅に変更されることとなる。
どの程度かといえば、ルーマニアの国境付近の街スチャパから、ロシア国境付近のウクライナの街ショトスカまでは陸路で約920kmだ。少なくとも900km以上軍事境界線が動くのだ。
これをNATOはウクライナの意向であり、NATOはそれを受け入れる側の立場だと繰り返し主張してきた。
日本の国境沿いにミサイル設置をした場合
例えば、北方領土にロシアが大規模な陸海空軍基地を建設すると発表した場合、日本はどう言うだろうか。
どうぞ、それはロシアの権利ですから仕方ありませんね。とはならないだろう。
違う点はそこで日本は軍事行動を取らないが、ロシアは軍事行動を取って阻止しようとした。この点がロシアの間違えであり批判の的になっている原因である訳だが、現に戦争は始まった。
問題の当事者は誰か
この問題はウクライナの問題のように見えて根本的にはNATOとロシアの問題のようだ。これをウクライナとロシアの問題だとして、NATOは第三者の立場を維持し、早期にウクライナへの派兵を行わないと発表した。
これはある意味、NATOの問題ではなくウクライナの問題だ切り離したのだ。果たして本質はそうだろうか。
ロシアを止める方法とは
ロシアの侵攻を止める具体的な方法とは何だろうか。現在世界はロシアに対する経済制裁を行っている。
これがロシアを止める可能性はどの程度あるだろうか。ルーブルが暴落していると言うが、現在20%程下落した状態だ。
ロシアは資源貿易が主であるため、加工貿易主体の国々と比べて債務不履行にはなり辛い産業構造となっている。ロシア経済がどの程度まで持ちこたえるかが鍵となるが、その時間軸はどうだろうか。
反戦デモはロシアを止めるだろうか
現在世界各地で反戦デモが行われている。これらは自由主義諸国の連帯を呼びかけ国際世論を喚起する上で有効である一方で、ロシアの世論をどの程度動かせるのかが鍵となる。
ロシアは今も言論の自由が確保されている国ではなく、ロシア国内の反戦デモ参加者は次々と警察に逮捕されている状況だ。
プーチン大統領を失脚させることができるのはロシア国民しかいない。しかし次回のロシア大統領選挙は2024年となる。
先が見えない停戦交渉
ウクライナがロシアと停戦交渉を行っているが、これが戦争を止めるだろうか。ロシアがウクライナに提示している条件の中に「非武装化」がある。
これをウクライナが飲むとは到底思えない。そして前述の通りロシアにとってウクライナはきっかけであり、交渉相手と思っているかどうか疑問だ。ロシアは当初から問題はNATOの東方拡大だと発言している。
問題の当事者しか解決できないはずが
これは軍事境界線の問題だとすれば、その当事者は誰だろうか。それはNATOとロシアだ。この2者間及びウクライナの協議によって停戦合意がなされることが最も根本的な解決となり得る。
しかしNATOは第三者のポジションを変えることは無いだろう。国際世論はウクライナへの同情を元に反戦運動を行う流れとなっているが、国際世論が向かうべきもう一つの方向性として、事の善悪はさておき、一方の当事者であるNATOを交渉のテーブルに引っ張り出すことだ。
POINT
ウクライナはNATO未加盟である為欧米諸国が参戦しないことは理解できるものの、交渉のテーブルに着くことも無いのでしょうか。無いのであればウクライナ侵攻は止まらない可能性が高いです。