日本、アメリカ、ドイツ、イギリス、EUが対ロシア制裁を発表 その中身はロシアを追い詰めるほどではなく限定的
2022-02-23 カテゴリー:ウクライナPhoto by Olaf Kosinsky (licensed under CC BY 3.0)
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岸田首相は23日、ロシアに対する経済制裁発表
制裁は、(1)二つの「共和国」関係者の査証(ビザ)発給停止と資産凍結、(2)二つの「共和国」との輸出入の禁止措置、(3)ロシア政府による新たなソブリン債の日本での発行・流通の禁止など。
日本は制裁についてG7と足並みを揃えると先駆けて林外務大臣が発表をしていたが、実際の内容を見るとあまり強い制裁ではない。
欧米による発表
ドイツのショルツ首相は独ロの新しい天然ガスパイプライン(ノルドストリーム2)の認可手続きを停止する考えを表明した。
ノルドストリーム2はウクライナを経由せずにロシアから天然ガスを将来的に輸入するパイプラインだが、これの認可を停止するものだ。ただし現行のパイプラインはウクライナを経由して欧州諸国に輸出されており、どれだけの制裁効果があるのかは疑問がある。
米政府が発表した制裁措置は極めて限定的なものだった。親ロシア派支配地域に対し、米国との経済取引を禁じる内容で、ロシアに対する制裁ではなかった。
英国のボリス・ジョンソン首相は、5つの銀行が資産を凍結し、3つのロシアの億万長者は英国の渡航禁止令に見舞われると制裁を発表した。
EUは「ウクライナの領土保全、主権、独立を弱体化または脅かす役割を果たしている」27人の個人および団体を標的にすることに同意したと述べた。
いずれにしても包括的にロシア経済を追い詰めるような内容ではなく、部分的、限定的であり未来的には解消されていくだろう内容ばかりとなっている。
ロシアは前回のクリミア半島問題で経済制裁を受けており、その経験から制裁内容や現在の欧米の経済関係も分析した結果、経済制裁の規模をある程度予測してドネツク、ルガンスク人民共和国を独立承認し軍を派遣することを決めているのだろう。
領土問題はその地域を獲得した後半永久的にその利益を該当地域から得ることができる。クリミア半島を含めて3,796千人の地域と経済から生まれる生産量がロシアの収入となるのだ。
POINT
領土侵略に対して経済制裁は初めから対抗カードにはならないと言えます。ロシアが返還しない限り経済制裁により受けた損失はその地域から回収されるでしょう。
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