続くウクライナ侵攻 - イラク戦争は8年9カ月間続き40カ国以上が参加した
2022-04-06 カテゴリー:ウクライナクリック応援よろしくお願いします。
1カ月を経過し終わらない侵攻
今回のウクライナ侵攻で露呈したこととして、ロシアは思ったほど強くないという見方がある。ウクライナの人口は約4千4百万人であり、正規軍の人口は約21万人とされている。ロシアは人口1億4千万人、ロシア軍は90万人とされる。ウクライナのGDPは世界55位でイラクよりも低い。
そして立地的には隣国同士ということでロシア軍からすれば最も侵攻をしやすい位置関係にあると言っても良い。首都キーウに対してはベラルーシ、ロシアからも侵攻が可能となる。それでも開戦1カ月を経過しても制圧できていない。先進国からの武器の供与だけでここまで戦えるのかという意味で注目されている。
長期に及んだイラク戦争
イラク戦争は8年9カ月続いた。2003年3月20日に米軍によるバグダットへの空爆が行われ、2003年12月13日にサダム・フセインが捕獲された。イラクへ軍事介入を行ったのはアメリカを筆頭とした先進国、同盟国、友好国など40カ国以上に上る。それでもイラク全土を制圧するのに8年9カ月もかかったのだ。
ウクライナと違う点はイラクと隣国であるトルコ、シリア、ヨルダン、サウジアラビアは作戦に参加しておらず、軍事介入を行った国々は遠方への派遣となっていることだろう。
どの段階で停戦合意に至るかが鍵
フセインの捕獲以降はイラク国内の不安定化、ゲリラ戦などが続いた。仮にフセイン捕獲までを数えても約9カ月となる。核兵器を用いない場合、近代兵器を以てしても1国を制圧する為にはこれだけ多くの時間がかかるということなのだろう。
そして共通するキーワードは「国防」だ。この意味でウクライナ戦争も全土制圧を目標にすれば長期化する恐れが高い。反面、ロシアはウクライナ全土の制圧は考えていないと当初から言っている。どの段階で停戦合意が行われるのか。それはロシアの当初の目標が在る程度達成されることを前提としている。現在の交渉ではウクライナがどれだけロシアの要求を受け入れることができるのか、難しい点も多い。