台湾有事は日本の有事、その根拠は何かについて明確にされていない - 様々なことを想定した根拠が必要
2022-09-19 カテゴリー:日本Photo by Unknown author (licensed under CC0 1.0)
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台湾有事は日本の有事
安倍元総理が台湾で開かれたシンポジウムに日本からオンライン参加し、「台湾有事は日本の有事」と発言したことについて中国政府は過敏に反応した。この件について考えてみると、台湾防衛について日台は軍事同盟を結んでおらず、その意味での実現は難しいだろう。米国の台湾関係法について、米軍の参戦は極めて曖昧である。
尖閣諸島の安保適用を確認する日本
安倍元総理は尖閣諸島について日米安保の適用範囲であるかについてこだわり、トランプ氏から確約を得、後のバイデン大統領との電話会談で菅元総理は尖閣諸島の日米安保適用について確認した。
台湾有事は日本の有事という言葉に、法的、条約上、様々な点で根拠が無い言葉のように見えるが、考えてみたら尖閣諸島そのものがその鍵のように見える。
台湾が初めに尖閣諸島領有権を主張
そもそも日本の尖閣諸島の領有権を主張したのは台湾が始まりだった。その3ヵ月後に中国が主張。中国は台湾を自国領土と言っているのだから、台湾のものは中国のものだということだ。慌てて主張したようにも見える。
中国が台湾を侵攻すれば、中国と台湾が主張する尖閣諸島への侵攻と看做すという考え方は論理的には成立する。つまり日米安保及び集団的自衛権の発動の条件が整う。安倍元総理が根拠の無いリップサービスをするとは思えない。
海の防衛は広範囲に及ぶ
その他、海での戦闘の防衛は広範囲に及び、台湾付近の日本の離島も戦闘に巻き込まれるという理屈が在る。この場合も日米安保が適用され日本が参戦すれば米軍も参戦することになるかもしれない。
台湾海峡は東アジアのシーレーン
台湾海峡は日本へ石油や天然物質を運ぶための重要な海路となっている。ここを中国が手に入れた場合、日本は資源供給を受ける海路の首根っこをつかまれた状態となる。これを日本有事と主張する声もある。
いずれにせよ、尖閣諸島や日本の離島を含み、台湾東北部の海域で中国軍が戦闘地域にしないとされたり、台湾海峡は台湾侵略後もこれまで通り維持することなどを事前に中国から宣言された場合どうなるのだろうかという疑問がある。それでも日米安保が発動する根拠が必要だ。